ハカ

Haka2

 

ハカといえば「カ・マテ、カ・マテ」で始まるものが最も有名です。他には知らないという人は多く、ニュージーランドでもマオリ以外では同様と言えるでしょう。「カ・マテ」は1820年にナティ・トア族の首長テ・ラウパラハが作ったハカで、ニュージーランドのスポーツチームや選手が海外遠征中に行う様子がしばしば見かけられます。ハカを海外で最も積極的に披露しているチームがオールブラックスです。試合前に行なうハカはオールブラックスの象徴となっています。

 

ハカの起源

マオリの伝えるところによると、太陽の神タマヌイトラには、夏の女神ヒネラウマティと冬の女神ヒネタクルアの2人の妻がいました。ヒネラウマティとの間に生まれた男の子、タネロレは踊りの始祖となりました。タネロレはかげろう(陽炎、夏の暑い日に見られる大気の揺らぎ)であり、踊りのなかで手を細かく震わせる動きで表現されます。

 

ハカはマオリの踊りの総称ですが、今日の定義では、男性が前列で踊り、女性は後列から歌や掛け声でサポートする様式のものを指しています。なかでも一般的によく見られるハカは、武器を持たない「タパラヒ」です。

 

表現力の豊かなマオリ文化において、この複合的な踊りは、情熱、活力、部族のアイデンティティーをひときわ顕著に表すものとなっています。マオリにとってハカは単なる娯楽ではありません。来客を歓迎し、もてなす際の習慣として非常に重要な社会的意義があり、ハカの出来映えが部族の評判を左右すると公言する首長(ハマナ・マフイカ)もいたほどです。

 

ハカは、その時々の懸念や問題、挑戦、抗議、実際にあった出来事などを反映して作られます。

 

ハカの歴史

ニュージーランドのラグビー界とオールブラックスでハカが重視されるようになったのは最近のことではありません。その起源は1888年、ジョセフ・ウォーブリック率いるマオリの全国代表チーム「ニュージーランド・ネイティブズ」が初めて披露したことに発し、以後ハカとラグビーは密接に関わってきました。神秘的なハカは、すさまじいまでの決意と情熱、高度なスキルとともに進化し、威信をかけて試合に臨む代表チームの証となっています。

 

ハカは、太平洋のポリネシア文化圏に属するニュージーランドの先住民マオリから受け継いだ独特の文化です。

 

オールブラックスの披露するハカは、チームのアプローチと同様、激しくも精緻です。

 

カ・マテ

有名なハカ「カ・マテ」は、ナティ・トア族の首長テ・ラウパラハが1820年に作ったもので、ナティ・トア族とナティ・トゥファレトア族の2つのイウィ(部族)の口承史伝にまつわる内容になっています。

 

ある紛争で敵に追われたテ・ラウパラハは、テ・トゥファレトア族のテ・ファレランギのもとに逃げ込みました。テ・ファレランギはクマラ(さつまいも)貯蔵用の穴に彼をかくまい、その上に妻のテ・ランギコアエアを座らせました。敵はトフンガ(博識な導師)の示しで捜索にやってきました。気配が近づいたとき、テ・ラウパラハは「カ・マテ、カ・マテ」(死、死だ)とつぶやきます。

 

ところがトフンガはテ・ラウパラハを見つけられず頭上を通り過ぎました。食べ物と女性に宿る気が、テ・ラウパラハの存在を察知されないように覆い隠してくれたのです。そこで思わず「カ・オラ、カ・オラ」(命、命がある)とつぶやきます。続く「テネテイ テ タンガタ プフルフル ナナ ネイ イ ティキ マイ ファカ フィティ テ ラ」は、やがて敵が撤収して穴から出てきたテ・ラウパラハの言葉です。大筋としては、天上にいるあの人が私に命を与えてくれる、という意味ですが、「タンガタ プフルフル」(毛深い男)がテ・ファレランギを指す可能性や、テ・ランギコアエアの宿す力を称賛しているというナティ・トア族の伝説に沿った考え方もあって、複数の解釈ができます。そして「ウパネ、クパネ」(のぼってゆく、一歩ずつ)「フィティテラ」(陽光に向かって)で終わります。

 

試合前にカ・マテを披露したのは、1888年から89年にかけて過酷な長期遠征に出たマオリの代表チーム、ニュージーランド・ネイティブズが最初でした。1905年には「元祖」オールブラックスも試合前のハカを実行しました。

 

それ以来オールブラックスが海外で試合に出るときはハカをするのが伝統となりました。1987年はもうひとつの転機で、「バック」の通称で親しまれるウェイン・シェルフォードとヒカ・リードの先導により、国内の試合前にもカ・マテのハカをするようになりました。これには、ハカを通じて、前年からの課題であった精度と強度に意識を集中させる意図があったと言われています。

 

カパ・オ・パンゴ - オールブラックス独自のハカ

2005年8月、カリスブルックで行われたトライネーションズの南アフリカ戦で、オールブラックスはチームの新しいハカを初めて披露しました。

 

カパ・オ・パンゴは、ティカンガ・マオリ(マオリの文化と習慣)の権威である、ナティ・ポロウ族出身のデレク・ラーデリによって、チームのために1年がかりで書かれました。その歌詞と動きは、ニュージーランドの大地、シルバーファーン、黒装束の戦士をほめたたえるものです。題名の「カパ・オ・パンゴ」は、「黒のチーム」という意味です。

 

以下の動画は、カパ・オ・パンゴ初披露のときのキャプテン、タナ・ウマガが新たなハカの導入を振り返ったものです。

  

従来のカ・マテを別のものに切り替えるのではなく、新たな息吹をもたらすハカがオールブラックスの伝統に加わることになりました。「カパ・オ・パンゴ」はその時々のチームの判断で披露されます。

 

KAPA O PANGO カパ・オ・パンゴ

Taringa whakarongo!

Kia rite!Kia rite!Kia mau!

Hi!

 

Kia whakawhenua au i ahau!

Hi, aue!Hi!

 

Ko Aotearoa, e ngunguru nei!

Hi, au!Au!Aue, ha!Hi!

 

Ko kapa o pango, e ngunguru nei!

Hi, au!Au!Aue, ha!Hi!

 

I ahaha!

 

Ka tu te ihi-ihi

 

Ka tu te wanawana

 

Ki runga i te rangi, e tu iho nei, tu iho nei, hi!

Ponga ra!

 

Kapa o pango!Aue, hi!

Ponga ra!

 

Kapa o pango!Aue, hi!

Ha!

 

 

この世に生を受けたときに戻してくれ

この生命の躍動を地球に返させてくれ

今、ニュージーランドが嵐を呼ぶ

ついにやってきた!

我々の瞬間が!

情熱が燃え上がる!

それが我々オールブラックスだ

ついにやってきた!

我々の瞬間が!

予感が爆発する!

パワーを感じろ

圧倒的な力がわき上がる

力の差を見せつける

頂点を目指して

シルバーファーン!

オールブラックス!

シルバーファーン!

オールブラックス!

アウエ ヒ!